蕎麦の豆知識

蕎麦の豆知識

そもそも、「蕎麦」と呼ばれる由来は何だろう―?と考えたことはありませんか。
諸説ありますが、ここでは有力な説をご紹介したいと思います。

「蕎麦」はもともとは「ソバムギ」と呼ばれていたそうです。
「ソバムギ」を略した語と言われています。
「ソバ」とは「わき」や「かたわら」を意味する「側・傍」ではなくて、「とがったもの」「物のかど」を意味する「稜」に由来する、という説が有力です。

これは、植物のソバの実が三角卵形で突起状になっているからそう呼ばれるようになったとされています。
実は乾くと黒褐色になることから、『和名抄』では「ソバ」を「クロムギ」と称する文献が残っています。
食品としての「蕎麦」は、そば粉に熱湯をかき混ぜた「ソバガキ」が江戸時代以前には一般的であったと言われています。
それが江戸時代以降、現在のように細く切られるようになり、当初は「ソバキリ」と呼ばれ全国で広く愛されたそうです。

そば粉の種類

「そば」と一口に言っても、実は種類があるって知っていますか?

そばの実は、夏と秋に収穫されるのですが、それぞれ「夏そば」「秋そば」と呼ばれています。
収穫した殻付きのままのものを「弦そば」、この殻を取ったものを「丸抜き」と呼び、丸抜きを挽いたものが「そば粉」です。
また、そのそばの実が育つ土壌やそばの実の部分、そば粉の挽き方によって、性質の異なるそば粉が生まれます。
さらに全蕎では、契約産地にて収穫されたそばの実を特殊製法によって寒晒そばの旨味まで引き上げ、石臼を低速回転で一本挽きし、最高ののど越しと香りを生むそば粉をご提供しています。

そば粉の種類

◆さらしな粉:そばの一番芯の部分、胚乳部だけを挽いて作られます。
◆一番粉:真っ白な内層粉で、でんぷん質を多く含みます。
◆二番粉:そばの実の中層部から採取。淡黄色~淡緑色を呈し、甘さと香りが強いのが特徴です。
◆三番粉:繊維質の多い外側の表層部から採取したもの。色や香りが二番粉よりも強いです。

黒いそばと白いそば ― 好みに合わせたそば粉をご提供

そばと言えば代表的な種類に「藪そば」「更科そば」がありますね。
同じ蕎麦なのに色・風味・歯ごたえ、それぞれ違った特徴があります。
それは、そばの実の使われている部分・そば粉の配合が異なるためです。
「藪そば」は、中・外層粉を使用しています。風味が強く色も黒っぽいのが特徴です。
対して、「更科そば」は、内・中層を使用しています。色は白っぽく、歯ごたえが良いことを特徴としています。
全蕎では代表者自ら産地へ赴きその品質を目で確かめ、国内外の蕎麦実の名産各地と契約を提携しています。
それゆえ、お客様のご要望に合わせた蕎麦粉・必要とされる形態での蕎麦の実のご提供が通年 安定した供給にて可能です。

蕎麦は優れた健康食

日頃、何気なく食べている「蕎麦」には驚くべき栄養を含んでいるのです。
食生活が乱れがちな現代における今こそ、蕎麦の健康効果・ひいては「賢食」を広く知って頂きたい―それが私どもの願いです。

  • ざる蕎麦
  • かけそば
  • 蕎麦湯

蕎麦の健康効果とは

【1】生活習慣病を防ぐルチンやカテキンの含有量

ルチンはポリフェノールの一種で、ポリフェノールと言えば抗酸化作用があることで有名かと思います。
ポリフェノールは、毛細血管の強化・保護、血流の改善、糖尿病・動脈硬化・脳梗塞などの恐ろしい生活習慣病の予防に効果を表します。
ルチンは、1日に約30mgを摂取するのが理想と言われていて、そば粉(全層粉)には、100g中約100mgのルチンが含まれているので効果的なルチン接種のためにも蕎麦を続けて食べたいものです。

【2】肝臓を守るコリンを含む食品

蕎麦が飲酒の害を少なくすることは古くから知られていますが、その理由は蕎麦に含まれるコリンにあると言われています。
コリンはビタミンの一種で、肝臓を保護しアルコールを飲む際に肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ働きをします。
そのため、脂肪肝・肝硬変・動脈硬化の予防が見込まれるビタミンとされています。
江戸時代以降、飲酒後に蕎麦を食べる習慣は理にかなっていたということですね。

【3】食物繊維が食品の中で最多

蕎麦には、腸のお掃除役"ヘミセルロース(食物繊維)"が豊富に含まれています。
食物繊維は便秘の予防や解消に効果を発揮します。
人間が一日に必要とする食物繊維は20~25gとされていますが、これが17g以下になるとなんと大腸がんの発生率が非常に高くなると一般的に言われています。
蕎麦にはせいろ1枚につき約4gの食物繊維が含まれており、これは一回の食事で取れる食物繊維の量として、あらゆる食品の中で最多です。

【4】良質のたんぱく質

蕎麦は、他の穀類と比較するとたんぱく質の含有が最も多く、「畑の牛肉」とも呼ばれています。
食品名 たんぱく質 アミノ酸スコア
蕎麦(全層粉) 13% 92
小麦粉(薄力粉) 8% 41
米(精白米) 6.8% 65
牛肉 18.4% 100
12.3% 100
大豆 35.3% 86
※アミノ酸スコア:たんぱく質の質の高さを表す数値 / 最高値は100
 人体では生成できない9種類の必須アミノ酸の含有率を表す数値。

【5】豊富なビタミン類

蕎麦には、その他にも以下のビタミン類が豊富に含まれています。
・ビタミンE:「若返りのビタミン」とも呼ばれる。抗酸化作用を持つビタミン
・ビタミンB1、B2:デンプンが分解されると糖になるが、これがエネルギーとなるために必要となるのがビタミンB1、B2。
また、ビタミンB1が不足すると、乳酸ができて疲れを感じ、さらには脚気などの病気に繋がると考えられている。
・パントテン酸:ホルモンの合成や疲労回復、炎症を和らげる働きをもつ。
また、胃痛や頭痛、胃潰瘍、ガン、脳出血などの予防や免疫力の向上にも役立つとのデータが出ている。
・ナイアシン:血管の壁を強化し、過度の飲酒による胃壁の荒れを防ぐ働きがある。
ビタミンB1、B2と同じく、糖をエネルギーに変える働きや、皮膚の活性化への効果もみられる。
・リノール酸:これは必須脂肪酸で、血管にこれストロールが溜まるのを防ぎ、血中コレストロール値や中性脂肪酸を下げる作用をもつことから動脈硬化を防ぐ効果が期待される。

【6】ミネラルも潤沢

蕎麦は他の穀類と比較し、ミネラルも各段に潤沢に含んでます。
たんぱく質をつくるために必要となる亜鉛、心臓や筋肉の機能を整え血圧を下げるカリウム、その他リンやマグネシウムなどが豊富に含まれているのです。
参考文献
「そば 至宝の伝統食」(アスペクト編 / アスペクト)
「不老長寿のダッタン蕎麦」(片山虎之助 / 小学)

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